CHAP. 01:宇宙孤児

ネオ人類第2.5世代は、さらなる宇宙開発によって生活圏を拡げようと試みていた、

しかし1世代目ほどの重圧を感じず、しかし希望と夢で目をくらんだ人々を餌にした、宇宙開発で金を稼ごうとした一部の民間企業により、質の悪いコロニーが方向のアンドロメダ銀河方向の地球外地域に蔓延り始めたのは、ファーストエスケープから僅か28年先の事であった。

そしてある事件は起きた。

第3ハビタブル惑星への大民族移動は4隻の宇宙船で実施されたが、その内1隻は劣悪コロニーの生みの親とも称されたセルサスコーポレーションが製造したものであった。

貧困家庭であった私の両親は、この船に乗船することさえも困難であり、たった私1人にチケットを握りしめさせた。

そして航海3577日目に航海ナビゲーションが故障、それに伴い太陽フレアを回避するのに時間がかかりすぎたために、軌道修正に必要な燃料が足りなくなり、目的地への航海が不可能となったことが事故の2週間後に通告された。

我々の希望の船は、死の船となった。と

不幸にも幸いにも、船の上で乗員が生涯を全うするのに必要以上な食料が積まれていた。

それから5年ほどの歳月が流れた、しかし救難信号を送ろうにも、もし彼らが事故当日に救助に向かっていたとしても10年かかる。

その虚無の希望を抱けなくなっていった者から順に皆自ら命を断っていった。

そんな絶望の刹那の中、遠く、はるか遠くにゆっくりと移動する光を見た。

先に私の父親達となる二人の船だった。

彼らは人類に対して共通のアナーキー思想を持っていた。

地球再生計画をもう一度頭からやり直すことができたのなら、ノアの方舟の舵を握るのは人類ではなく、それ以外の生命体に委ねるべきではないか。

我々の傲りが故に、蜜と乳の大地は汚されたのではなかっただろうか。

我々人類はいままでのどの時代にも地球の王者ではかったし、故に先導者となる大役を果たすに値するほどに成熟しきれていない。

その計画を実行するために、僅かな人類と多勢の生命をハビタブル惑星に移住させる夢をいだき始めていて、その調査のために、ネオ人類大民族移動計画では候補から外されてしまうような小規模な惑星をハネムーンで旅していたその帰路であった。

偶然にも彼らが救難信号を受信し、私達の船にやって来てくれたのであった。

CHAP-3 両親

地球に帰還できたのはそれから更に6年の歳月が必要であった。

私の胸にはもはや希望の欠片も存在していなかった。事故がおきて状況を理解したときに両親とは生き別れとなったことは、当時の私でも

計算することができたし、仮に彼らの生存を知ったとしても、私の後を追って第3ハビタブル惑星へと向かった両親を、さらに後追いして新しい宇宙船に乗ることなど、一切の財産を持たない私には夢物語ですらなかった。

しかしその無念を抱き生き続けなくてよいのだと、地球に降り着いた日に入国管理人に知らされたのだった。

私の両親は、私のチケットを買うために身を売ったのだった。

ネオ人類計画が発足してから、地球上の社会問題はまるで(諦めた単位)のように政治家は解決責任を放棄したのだ、そして保身と第二の人生のための片道チケット確保のために、開発事業者、投資者が有利になりように政策を打ち出し、法規制を捻じ曲げた。

その一つが臓器提供の簡易化であった。高齢の富を持つ人々が長期の宇宙移動を耐え、さらに新たな地で生きていくために十分な健康体を得るために、地球でその命を全うするしか道のない貧困層から健康な臓器を提供してもらう手続きを簡易化、そのための医療施設の充実が厚生省の最大の業務内容となっていたのだ。

私の両親は全ての臓器と引き換えに私の片道チケットを確保してくれたのだった。

絶望とやり切れなさが私を襲った。

入港ポートでたった一人、膝から崩れ落ちた。

この星に未来はなく、また、私の心に希望はなかった。


Tale of Comet

CHAP-4 父と父

人間は女性の血と苦痛から産まれてくるのだ

CHAP-5 黃緑とピンクと水玉

ほら黄緑色の太陽だよ!

私にしか見えない太陽の光だった。

私は色覚異常で、通常人類は3色覚を持つが、私は生まれつきそれが4つあった。

Song 1. Sheep

羊の反乱を恐れる羊飼いや、
羊使いの乱獲に怯える羊はいなかった。
この世に生を受けた生き物はみな、ほかの生き物の命を頂いて生きている
そして皆この宇宙へと還っていく

Song 2 Scorpion

母親は水色、子供は紫色に蛍光する

Song 3 Armadillo

彼らは必ず一卵性四つ子を産む。
私たちが住むこの太陽系は3つの太陽と、1つの惑星からなる。
だから父親はよくこんなことを口にする。
地球と月は生き別れの兄弟だったが、この星の親はアルマジロにちがいない。

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Editor: Pom Zyquita